こやま圭様:ネイト×鈴哉





最高の美酒はキミ (2/4)



守が出掛けてしまった今、この家には二人しかいない。
先ほどネイトが囁いた言葉がグルグルと脳裏を巡る。


今更何言ってんだよ、スズナリ……未成年がしちゃイケナイ事、いつもいっぱいしてるだろ?


確かに酒も飲んだ、数え切れない位の数セックスだって……している。
ネイトの不意打ちの言葉に早鐘を打つ胸の鼓動を悟られないようにポーカーフェイスに努めていると、先程の雰囲気からガラリと一転した声音でネイトが楽しげにコンビニ袋から色々な酒を取り出した。

「この日本酒美味いんだぜ〜。でもお前酒弱いもんな……あっ、これなら飲めるだろ?この前飲んでたし」

そういいながら鈴哉に放り投げた缶はカルアミルク。

「……でさぁ」

美味そうに酒を飲みながら話しかけてくるネイトの声が耳に届かない。
先程のネイトの言葉と艶めいた声音が耳の奥にこびりつき、意識せざるを得なかった。

(今日も……するんだろうか……)

守がいつも飲んでいるコーヒー牛乳と同じ味がする。
ほんの少しアルコールの味がするその甘い液体がコクリコクリと喉元を通り過ぎた。

「なぁ……聞いてる?」

頭の中はネイトの言葉でいっぱいで……上の空な鈴哉の眼前に掌をヒラヒラとさせ、ネイトがニヤニヤと笑う。

「あ……ごめっ……」

慌てて顔を上げ、謝罪する鈴哉の耳朶に唇を近づけそっと囁いた。

「ん……?今日もしたい?」

艶を帯びたネイトの声色に鈴哉はビクンと肩を震わせ、思わず手を滑らせて缶を落してしまう。
膝元を濡らしジワジワと染み渡る褐色の染み。

「……あっ」
「ちょっ……スズナリっ!何やってんだよ!ズボン脱げって!」
「えっ……あっ」

急かすネイトにされるがままにズボンを脱がされ、鈴哉の下半身はトランクス一枚の状態になる。

「あ〜あ、びっしょびしょ」

ずぶ濡れの鈴哉のズボンを片手にネイトはクスリと笑った。
耳まで赤く染め上げ恥ずかしそうに俯く鈴哉の異変に気付き、ネイトの口角が吊り上る。
トランクスに手を置き、まるで股間を隠すようにもじもじとさせる鈴哉の挙動にピンと来たネイトはズボンを床へ置き鈴哉へ顔を近付け、そっと耳打ちをした。

「ん……もしかして何か期待してる?」
「そっ……そんなわけがっ」
「……あるんじゃねぇの?」

白く長い指をそっと鈴哉の股間へ這わせ、トランクス越しに半勃ちのモノを揉みしだくと鈴哉の唇から甘い吐息が漏れた。

「もう準備万端にしか見えねーんだけど?」

緩急をつけて揉みしだくと鈴哉の呼吸が次第に荒ぶり始め、ネイトの掌の中でニチャニチャと湿った音が漏れ出す。

「あっれ〜?スズナリ、お前トランクスにまで酒零してたっけ?……ここもびっしょびしょなんだけど」

鈴哉の耳元でクスッと笑いトランクスに手を掛け一気に両足から引き抜くと、バランスを崩した鈴哉は両足を広げた状態で勢い良く倒れてしまう。

「あ〜……絶景絶景。そんなに煽んなよ」

鈴哉は自分が下半身剥き出しのM字開脚のポーズで足を広げている事に気付き、慌てふためきながら体勢を整え両足を閉じると、ネイトが不満そうに頬を膨らませた。

「せっかくいい光景だったのに……あっ、そうだ。どうせ閉じるなら……正座してもうちょっとキュって両足閉じて?」
「えっ……何……?」

ネイトに促されるままカーペットの上に正座をさせられ両足を強く閉じさせられる。
半勃ちのそれは腿に挟む事もままならず、鈴哉の腿の間で居心地悪そうに屹立していた。

「じゃ〜ん!杯の出来上がり〜!」

言動の意味がわからず、ただただキョトンとした表情を向ける鈴哉だったが、己の股に嬉々として日本酒を注ぐネイトを見て我に返る。

「ちょっ!!何の真似っ……」
「んふふ……博学のスズナリもコレは知らね?ワカメ酒って言ってお座敷遊びの一種なんだってさ」
「そんな事を聞いているわけじゃ……んんっ」

とぽとぽと注がれる日本酒のヒヤリとした冷たさと、チリリと局部を苛むアルコールの刺激に鈴哉の身体が震える。

「んんっ……はぁっ」
「んっ、ワカメ酒の出来上がりっ!フランクフルトのオマケ付き!」

アルコールの刺激で半勃ちだった鈴哉の中心は完全に勃ち上がり、なみなみと注がれた日本酒の線を越え亀頭を覗かせていた。

「なんでワカメ酒っていうかわかる?日本酒の中でユラユラ揺れる陰毛をワカメに見立ててそう呼ばれるらしいぜ」
「悪趣味…な。なんで急にこんな事……を」
「こないださ〜、守とネットサーフィンしててそういうサイト見てたわけ。そしたらコレ見つけてさ。やってみたいって意気投合したんだ。そうしたらお誂え向きのこのシチュエーション……据え膳食わぬはっていうだろ?」
「ふざけ…る、な」
「ん……いいの?動くとカーペットに零れるぜ。酒浸しになってもいいの?」

ネイトの言葉に一瞬怯んだ鈴哉の動揺を見逃す事なく、ネイトは鈴哉の両膝に手をかけ微笑む。

「いただきます」

まるで子猫がミルクを飲むように、ネイトは舌を出しぴちゃぴちゃと日本酒を舐めた。

「そんな飲み方しないで……飲むなら一気に……飲め」

日本酒を舐めるネイトの舌が時折チロチロと竿の部分に触れ、鈴哉は身を震わせ酒を零しそうになる。

「だって勿体ないじゃん、こんな美味い酒ちょっとずつ飲まないと。この酒浸しのフランクフルトも美味そうだし」

カリの部分を右手の親指と人差し指できゅっと摘み、先端部分をチロチロと舐めながら咥えると、鈴哉の膝がガクガクと震え出した。

「それ……やめっ……」
「だから零れるって」
「お願いだから……もう……たの、む」

鈴哉は押し寄せる快感と羞恥の涙を流し咽び泣くと両手で口を塞ぐ。
甘い吐息を漏らすまいとする鈴哉を上目遣いでチラッと一瞥し、ネイトが酒をズズッと吸い込むと水位が下がり晒された竿を指を輪っかにして掴み上下に扱いた。

「んんっ……!!んぁ……!!」

アルコールに浸かっていた部分が水位が下がった事により、空気にさらされスースーとした刺激を帯びる。
そんな些細な刺激にさえも過敏に反応する中心の先端部分の穴を舐め咥え込み、カリの部分を唇でふにふにと食み刺激した。

「やぁ……もう……む、り」

刺激に耐え切れず勢い余って片膝を立てた鈴哉の股間から、残りの酒が零れ落ちる。

「あっ……」
「あ〜あ、もったいね〜せっかくのワカメ酒だったのに」

残りは少量だったがカーペットに零れ落ちた日本酒の冷たさがじわじわと鈴哉の尻を濡らしていく。
その冷たさにふと我に返って、カッターシャツに下半身剥き出しという恥ずかしい自らの身なりを再確認し、頭を抱えうずくまった。

「なんだ……この格好…無理、無理、無理」
「なんで?すげぇそそるぜ……その格好」

抱えた頭をブンブンと振る鈴哉の髪にそっと触れ、唇を落とす。
うな垂れる鈴哉の顔を親指でグッと上に上げ、じっと瞳を覗き込むと満面の笑みで無邪気に言い放った。

「どうせだからこのまま今年最初の姫始めやっちゃう?やっちゃう?」


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