雲乃みい様:守×リュート
※R18 使用:お酒
ワカメ酒という私の無茶ぶりテーマに応えて、
みいさんがマモリュ、圭さんがネイスズで、お正月SSを書いてくださりました。
新年にカンパイ!? (1/6)
元旦の昼過ぎコンビニ内で雑誌を読んでいた守の背後からか細い声が響いた。
「……待たせたな」
それは今日初詣に行こうと待ち合わせていたリュートのもので、守は顔を輝かせるといきおいよく振り返り―――
「あけましておめ……」
リュートの姿を見て、言葉途中に固まった。
ぽかんと口を大きく開いて守はリュートを指さす。
「な、な、な」
「……外でるぞ」
口をぱくぱくさせる守の腕をひっぱりコンビニを出ていくリュート。
そして外に出たところで、守が叫んだ。
「な、なにその格好!!! どうしたの!? リュート、まじ綺麗っ!!」
「うるさい! 騒ぐなっ!」
「だ、だって! なんで振袖!? いや、でもすっげぇ似合ってる! めちゃくちゃ綺麗!! すっげぇ、リュート!!!」
テンションマックスで抱きついて来ようとした守を寸前のところでかわしたリュートは顔を赤く染めて顔を背けた。
抱きつけなかったことに口を尖らせてしょぼくれる守に、
「着崩れるだろっ」
と、若干慌てたようにフォローをいれれば、
「そうだけど」
と、それでも残念そうに守は手を伸ばしそっと着物の袖に触れてきた。
「でもこれまじでどうしたの?」
「……罰ゲームだ」
「罰ゲーム?」
「……ナオたちとゲームして……」
「あーフラ語で一緒だっていう友達だよね」
「……トーナメント形式で……一番ビリが罰ゲームすることになった」
「へー、それでリュート負けたんだ!」
「……」
「でもこれ罰ゲーム!? すっげぇ高そうな着物だよ!?」
「罰ゲームだろ! お前、女装だぞ、女装ッ!!!」
拳を握りしめて反論するリュートに、守はしげしげと上から下まで眺める。
着物は優しいピンク地に白や濃紅の華が描かれている。
そして肩にはふわふわの白のショール。
髪はサイドを和柄のピンで留めていて、赤い花飾りがつけられていた。
その姿はどこからどう見ても―――
「大丈夫! 女の子にしか見えない!!」
自信満々に、興奮気味に叫ぶ守を一瞬蹴ろうとしたリュートは裾が乱れるとハッとして手に持っていた巾着で守を叩くだけにとどめた。
「ってぇ……。本当に似合ってるのに……」
「女にしか見えないなんていわれて嬉しがるわけねーだろ!」
「……そう? それだけリュートが可愛いってことだし、綺麗ってことだし……。まじ女神さまみてーだし。もうほんとだって、すげー綺麗だから。あ、でも別に女の子に見えなくたって俺はリュートならなんだっていいんだけどっ!」
「……お前、バカだろ」
ひとり言いながらデレデレと照れている守にリュートは呆れたようにため息をつく。
が、その耳は真っ赤に染まっていた。
「ほら、行くぞ……初詣」
「うん! あ……手、繋いでいい?」
「はぁ!?」
「だってさ、いまリュート女の子の格好してんだし。堂々と手繋いでも変じゃない!」
「……」
「ね、リュート!」
目を輝かせて迫ってくるリュートに少し逡巡したリュートはツンと顔を背けて手を差し出した。
「早くしろ、行くぞっ」
「はい!」
了解を得た守はさっそくその手をとって、指を絡めさせる。
いわゆる恋人繋ぎになった手をリュートがちらり目をやって頬を染め、守はそれには気づかずリュートの手の体温に顔を緩めっぱなしだった。
そしてふたりは仲良く初詣へと向―――
「おいっ、お前あんまりベタベタしてくんなよ!」
「だってリュートなんかすっげーいい匂いするんだもん」
「化粧のせいだろ」
「へーそっか。やべーなんかムラムラする」
「……だからくっつくなって!! バカ! 着物着崩れるだろ! 手繋ぐのもなしにするぞ!」
「えっ、それはヤダ!」
肩を組んだり髪に触れてきたりとベタベタ触ってくる守に真っ赤になったリュートが怒りながら―――神社へと向かったのだった。
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