こやま圭様:守×リュート






あまいあまいキミの味/中


一晩中キスをした。
甘い甘いチョコパイの味がするくちづけ。
それ以上の行為に及ぶわけでもなく……ただただ唇を合わせるだけの優しいキス。
リュートの柔らかい唇に触れるだけで、守の心臓は早鐘を打つ。
ぎゅっと抱きしめると、目を瞑り震えているリュートの心臓の鼓動も早鐘を打っているのが伝わり、守の頬が緩んだ。

「リュートの唇……柔らかい……気持ちいい」
「ばっ……死ねっ」
「やだ、生きる。死んじゃいそうな位幸せだけど、死んじゃったらリュートを抱っこ出来ない」
「……ごめ、ん」

死ねなんて言葉冗談でも勢いでも言ってはいけない言葉だった……しょんぼりと俯くリュートを抱きしめる腕に力を込める。

「ん……俺のお願い聞いてくれたら許す」
「……何?」
「リュートにもぎゅってして欲しい」
「……」

か細い腕がおずおずと背中に回され、懸命に抱き返し、震えているのを察知した守は頬を綻ばせた。

「やばっ……俺こんなに幸せでいいのかな」

リュートの肩に顎を載せ嬉しそうに呟くと、白い首筋にちゅっと唇を落とす。

「やっ……」
「キスだけだから……それで我慢するから」

ビクンと跳ねるリュートのしなやかな肢体をぎゅっと抱きしめ、癖のかかった柔らかな髪を指で梳いた。

「んっ……」

ぎゅっと固く眼を瞑るリュートの瞼に唇を落とし、頬、鼻筋、そして唇をついばむように優しくくちづける。

「そうだ……あれ、開けていい?リュートからのクリスマスプレゼント」
「もうお前のモンなんだから……好きにしろっ」

耳まで真っ赤に染め上げながらぷいっとそっぽを向くリュートの髪を、ナデナデと撫でながらプレゼントの包み紙を開ける。
すると現れた、真っ白いふわふわとしたモノの感触を確かめるように頬擦りをした。

「柔らかい……まるでリュートみたいだ。俺に選んでくれたとか感激」
「ばっ……馬鹿っ。安かったんだって言ってるだろっ!」
「俺コレつけて寝るわ……リュートと添い寝してるみたいだ」
「ばっ……」

再びリュートをぎゅっと抱きしめると、守の肩にリュートはもたれ掛かりながらひとりごちた。
リュートもそれに応え、守の大きな背中を再びぎゅっと抱き返す。

「お前ってホント馬鹿…でもそういうの、嫌いじゃない」



NEXT


BACKTOPNEXT