留輝様:ネコになる
記念日
今日は、特別な日である。
俺がシロと出会った、記念日。
「おい、シロ」
「ん? どうしたの、赤井さん」
自分とシロの分の朝ごはんを机まで運ぶ。
休日なので少し遅めの朝ごはん。
「今日、暇だしどっか遊びに行ったりするか?」
おはしでご飯を口に入れたままの状態でシロが固まる。
普段散歩ですら面倒くさいと言うのに急に誘ったから?
変だと思われたのか?
「もちろん行くよ」
「そ、そうか。よかった」
とりあえず一安心し、朝ごはんに手をつける。
「どこ行くの? またいつもの公園?」
「いや、おまえが前行きたいって言ってた遊園地に……」
「本当! 嬉しいな」
や、やばい……。
俺はおまえのその笑顔が見れて嬉しいよ。
本当に順調に、日を重ねるごとにシロを好きになる。
「楽しかったね、赤井さん!」
「あぁ」
遊園地は久しぶりだった。前に行ったのは元カノとだった気がする。
いつもは気を使ってばかりだったけど、今日はそんなことしなくてよかった。
シロ相手だと、すごく気楽で楽しめた。
「もうだいぶ暗くなってきたけど、もう帰るの?」
「いや、公園に寄って行こうと思う」
「いつもの公園? じゃ、バスだね」
最近、車への恐怖も少なくなりバスに乗ることが前より好きらしい。
遊園地から出て公園までバスで移動する。
「わー、真っ暗だね」
「もうだいぶ遅いからな」
夜だと人が少ないかと思ったけど、それでもちらほらとカップルがいる。
「もう少し向こうに行くか」
「うん? そうだね」
シロと初めて出会った場所へ。
「シロ、今日が何の日か覚えてるか」
「え、何かあったかな?」
シロが思いだそうとして必死に唸る。
「1年前、俺とおまえはここで初めて会ったんだよ」
「あぁ!」
思いだした、シロが叫んでそれを見て俺は微笑む。
「俺はシロと会えてよかったよ」
「ぼくも赤井さんと会えてよかったよ!」
ありがとう。
2人でお礼を言い合って、目を合わせて笑う。
「シロ、好きだ」
「ぼくも大好きだよ」
その好きが俺の好きと同じかはわからないけど。
胸が締め付けられて、どうしようもないほど幸せな気持ちになる。
「ありがとう」
俺と出会ってくれて。俺の側にいてくれて。
END
赤井さんのヘタレ具合がツボです( *´艸`)純情なヘタレ攻め大好き!
※R18
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