こやま圭様:ネイト×鈴哉
※R18 使用:生クリーム
今宵は君が美味しいデザート/前
「なーなーなー!カラオケ行こ〜ぜっ!」
鈴哉のベッドで寝ていると思っていたネイトが、寝そべりながら頬杖をつき足をバタつかせる。
「お前……寝てたんじゃないのか?」
「ん……起きた。んで、お前とカラオケ行きたくなった」
悪びれずにこにこと微笑むネイトを見ると何も言い返せない。
「お前は……本当に脈絡のないヤツだな」
「だって〜、今日は聖夜だろ?せいなる夜だ、クリスマスだろ?ヤらなきゃ駄目だろ」
ネイトの言葉を違う漢字で脳内変換してしまい鈴哉は顔を耳まで赤らめる。
「お前のココだって……ちょっと触ればすぐヤリたいって言うだろ?」
「おまっ…!!やめっ……」
ススッ……と近づいたネイトは鈴哉の耳に息を吹きかけ、衣服の上から股間をやんわりと揉みしだいた。
甘い疼きが中心からじわじわと広がり鈴哉は思わず身を捩る。
気を良くしたネイトは耳元にかかる鈴哉の髪を掻きあげ、そっと呟いた。
「カラオケ……行くの嫌?なんならここでする?すぐ隣に守もリュートもいるけどな」
一旦、ネイトに点けられた情欲の熱を我慢する事は出来ず……鈴哉は赤面し俯きながらこくりと頷く。
「……行く」
「よっし!ついでに飯も外で食おうぜ!」
鈴哉の髪をネイトは、豪快にくしゃっと撫でた。
守とリュートにカラオケに行く事、外食をして来る事を伝えると、守は皆で過ごしたかったのに……と落胆しリュートは鈴哉をジッと睨みつけた。
リュートは二人がしている事に気づいている…本当にカラオケに行っているなどとは思っていないだろう、絶対に。
そう思うと鈴哉は羞恥心で顔から火を噴きそうになるが、刺すようなリュートの視線に気付かない振りをし、ネイトと家を出た。
いつものホテルへ行くのかと思うとネイトの足取りが違う方向へと向かっている事に気付く。
「あ……いつもと違う場所なのか?」
「んっ?俺腹減ってんの。お前を食べる前に物質的に腹を満たしたいから先に飯。それとも……待ちきれねぇ?」
ネイトは耳元でクスクスと笑いながら鈴哉の頬を人差し指でツツッ……となぞる。
「そんなわけ……ないっ!!」
「あははっ……ごめんって!」
ネイトが俯く鈴哉の手をギュっと握り、自らのコートのポケットに押し込むと、不意の出来事に驚いた鈴哉はネイトの顔を凝視する。
鈴哉の視線に気付いたネイトはキョトンとした表情で鈴哉を見つめ返した。
「んっ?何……?」
「いや……その……手……」
「だってお前の手冷たいし。手袋もしてないから真っ赤っか…俺も冷たいから暖っため合いっこ。いや?」
「……好きに……しろ」
鼻歌を口ずさむネイトに連れられるまま、クリスマスらしくイルミネーションでライトアップされた街をポケットの中で手を繋いで歩く……まるで……
(恋人同士……みたいだ)
心の通わないカラダとカラダの関係……二人を繋ぐモノは身体の繋がりだけ。
ライトアップされキラキラしたオーナメントに彩られたツリーの下で、睦言を交わす恋人達を見ていると鈴哉の胸がチクリと痛む。
(俺たちはアイツらとは違う。何だろう……この痛みは……)
鈴哉は胸に違和感を感じながらも、ただただネイトの歩みについて行く事しか出来なかった。
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