natsu様:守×リュート




(守が大学に入った後の話)



「リュート!」

沢山の人でにぎわっている駅前。

大勢の人混みの中
誰よりも輝いて見えるのは、俺の目の錯覚なのかな。

「ごめん。
講義が伸びちゃって・・・。待った?」

パーカーにジーパンというラフな格好の守は
嬉しそうに俺の頭を撫でた。


顔に熱がたまるのが分かって
すこし俯く。


「お、遅いぞ
10分も待ったじゃないか。」


本当は待ち合わせの時間より
ずっと前に来ていて
かれこれ1時間以上も待ったなんて言えない。


それでも、こういう場合は
「今来たこと」とか、気のきいたセリフを言えばいい物の
素直になれない俺。


「ごめんね。
お詫びになんかおごるよ!」

それでも守は、そんな俺に
腹を立てるわけでも、呆れるでもない。

眉を少しだけ下げて、
でも嬉しそうに笑いかけてくる。



付き合って、もう1年以上もすぎてるのに
デートにはいつまでたっても慣れない。

いつも以上に守も
世界もキラキラして見える。


「お腹すいてない?
何か食べる?」

この優しい笑顔も
見るたびにドキドキして、目も合わせられない。


「べ、別になんでも。」


なんて、ついそっけない態度をとってしまうけど、
本当は、もっと優しくしたい。

甘えたい。


…ここなら、人も多いし
別にばれないよな。


そう心でつぶやくと、
隣を歩く守の手に そっと自身の手を絡めた。


「っ!!
…リュート。」


一瞬驚いた顔をした守も
真っ赤に染まっているであろう顔にそっと笑いかけると
優しく手を握り返してきた。


「は、早く行こうぜ!!」

「うん。」


今はまだ
これが精一杯だけど…。

いつか…。

いつか、素直な自分を出せるといいな。


雲一つない青い空には
一筋の飛行機雲がかかっていた。



END



ピュアップル可愛いです(*´ー`*)本編でもこんな幸せな大学生カップルになれたらいいな〜!


natsuさんのHP『プリット


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